ジョージ・ゴーディエンコのブロック・バスター

2002.3.9 update

 

ゴーディエンコのブロックバスター。投げる方向に注目。

 

掲示板で話題になったゴーディエンコのブロックバスター。早速資料をくってみると出てきました。写真は43年10月1日町田市体育館で行われたゴーディエンコとストロング小林の一戦より。疑問が上がっていたパワースラムとに違いはずばり投げる方向にあった。パワースラムは相手の頭の方向に首を巻き込むように叩き付けるが、ゴーディエンコのブロックバスターは相手の足の方向へ叩き付けると言うよりも放り投げていると言った感じ。投げられた相手は全身を叩きつけられる感じになる。相手の受け身がまずければ腰を強打、再起不能に・・・と言うのは昭和プロレス的すぎますか?はっきり言ってパワースラムよりも危険度は高いと言えるのではないか?このブロックバスターは残念ながら使い手がおらずゴーディエンコ1代の技になってしまったようである。

 

 
投げられているのはマンモス鈴木!   投げられた相手はこのように全身をマットに叩き付けられる。

 

さてゴーディエンコスタイルのブロックがスターは彼一代のものとなったが、相手を頭の方向から投げるブロックバスターは、ヨーロッパを中心に多くの使い手がいた。48年に新日本プロが招聘した隠れた実力者といわれるハンガリーの狼 アーパート・ウェーバーが強烈なブロックバスターを披露している。

マニアの方ならご存知だろうが、このブロックバスターと言う名前の技をアントニオ猪木もごく短期間使っていた。50年のゴールデンファイト・シリーズの中で2ヶ月後に控えた対ルー・テーズ戦の秘密兵器としてザ・プロフェッショナルあたりを実験台にして試運転している。猪木のブロックバスターは相手を横かかえにして、そのまま後方になげてブリッジしてフォールしてしまうというテクニシャン・猪木のイメージにぴったりの技である。しかしこの技はルー・テーズ戦後、封印したのか評判が良くなかったのかまったく使わなくなった。全日本時代の大仁田がチャボ・ゲレロに見舞ったのは、この猪木型のブロック・バスターであった。

パワーのゴーディエンコとテクニックの猪木・・・同じ技でも使い手によってここまで変わると言う見本のような技である。

 

 

猪木のブロックバスター。このままブリッジして
フォールする。

 

ウェーバーが使った頭の方向に投げるスタイルは使い
手が多い。