ジャンボ鶴田のフロント・スープレックス

2002.10.25 update

 

 
これほどまでにダイナミックにフロント・スープレックスを使ったレスラーはいないだろう。

 

 ジャンボ鶴田ファンの皆さんお待たせしました!鶴田の豪快なフロント・スープレックスがついに登場です!鶴田のフロント・スープレックスは他のレスラーのとは一味違った。ほとんどのレスラーは相手の胴体をつかんで、投げると同時に身体を横にひねって投げていたが、鶴田の場合は相手を真上に持ち上げ、真後ろに身体を反らせてから身体をひねると言うスタイルだった。初期の頃は長身の鶴田が背伸びするように後方に身体をそらし相手をそのまま投げ捨てると言うスタイルをとっていたこともあったようだ。レスラーに必要な条件のひとつに、「自分の体を最大限にいかす」と言うことがあるが、それを鶴田は馬場に耳にたこが出来るほど教え込まれたに違いない。そして自分の体の大きさを表現できる技として、特に初期にはフロント・スープレックスを多用したのである。

 

   

ボックの低空フロントスープレックス。

 

アンドレも使っていた。

 

谷津のワンダースープレックス

 

   

エルマンソーの一味変わったフロント・スープレックス。

 

 大きく投げるジャンボに対し、いかに速く投げるか?を追求したのがローラン・ボックのスタイルである。彼の場合は相手をホールドした瞬間には既に投げ始め気がついたらマットに叩きつけられているという衝撃的なものであった。鶴田と同じくアマレス出身の谷津もワンダースープレックスと称してこの技を使っていた。同じ技をデビュー当時のフィニッシュにしていた鶴田と谷津が後にコンビを組んだのも因縁めいたものを感じる。さて、鶴田のフロント・スープレックスも豪快だったが、もっともファンがどよめいたフロント・スープレックスはアンドレがキラー・カーンに繰り出したフロント・スープレックスである。アンドレはカーンの腕をかんぬきのようにホールドして豪快に投げていた。相手が頑丈なカーンだったからこそ、アンドレはこの秘密兵器をカーンに炸裂させたのであろう。

 最後に一風代わったフロント・スープレックスを使ったのはエルマンソー兄弟。かんぬきに決め、正座をするように腰を落としてそのままブリッジし相手を倒立のような体制にしてから横にポーンと投げると言うもの。これは決してフォールにはつながらないが、なかなか味のある投げ方である。