キラー・コワルスキーのダイビング・ニードロップ

2000.1.14 update

 

  まずは左の写真を見て頂こう。思わず溜め息が出てくる。これほどプロレスの醍醐味を具現したショットは少ないのではないか?これぞ「必殺技」である。

プロレスというのは奥が深い。同じ技でも使い手によってその印象は全く異なる。レスラーは自分の持つキャラを把握し、それにあった技を使いこなしてこそ一流である。キラー・コワルスキーのイメージは「死神」。コーナーから舞い下りるコワルスキーのフォームは、まるで死神の手先の禿鷹(深い意味はない)のようである。これほど彼のイメージにぴたりと当てはまる技はなかろう。

この技でユーコン・エリックの耳を削ぎ落とし自殺に追い込んだ、というストーリーもプロレス的には最高。ゴールドのリングシューズが刃物のように見えはしないか?マットに横たわる馬場の表情も、コワルスキーとこの技のもつ残忍なイメージを盛り上げていて良い。平成のプロレスでは、こんなショットはちょっとお目にかかれないのではないか?

さてこのダイビング・ニードロップの使い手は結構いるが、その中でもダイナミックさで日本のファンの度肝を抜いたのがジプシー・ジョーだ。彼はなんと金網の天辺からニードロップを豪快にはなっていたのだからその度胸には頭が下がる。
詳しくは
「ジプシー・ジョーのフライング・ニードロップ」を見よ。

また、トップロープからの攻撃を得意としていた選手として忘れられないのが、ドン・ジャーディンことサニー・クーパーが正体のザ・スポイラーである。2メートル近い彼の急降下爆弾はド迫力であった。

 

 

     

 

さて、その他のダイビングにードロップの使い手はギリシャの黒鷲 ジョン・トロスが思い出される。彼の場合はセカンドロープからのダイビングだったため、コワルスキーやジョーに比べれば、迫力はやや劣るが、フォームはなかなか美しい。フォームが美しいといえば、なんと言っても日本のアントニオ猪木であろう。良いレスラーは指先で演技をするというが、猪木のフォームはまさに指先まで神経を使った美しさ、力強さがある。

もう一人忘れてはいけないのが、ディック・ザ・ブルーザー。彼の場合はニードロップではなくトップ・ロープからのストンピング〜アトミック・ボムズ・アウェイを得意としたが、そのド迫力は他の追随を許さぬものがある。

 

   
         
まさに黒鷲という感じのトロス   猪木もバランスが良い   ブルーザーは迫力が売り物