ジャンボ鶴田のミサイル・キック

2006.9.11

 

C・テイラーとの十番勝負で完成したミサイルキック!

 

 掲示板でのリクエストにお答えして、ジャンボ鶴田の「ミサイル・ドロップキック」の登場です。

 ミサイル・キックとは何か? 基本的にはトップロープからのドロップキックである。この技の元祖といわれているのは、中西部で活躍したリッキー・ギブソン。昭和50年に来日したギブソンは7月21日の新潟大会でジャンボ鶴田を相手に、この技を日本で初公開している。この技に衝撃を受けた鶴田は、鶴田試練の十番勝負の秘密兵器にすべく、昭和51年1月24日の京都大会でターザン・タイラー、2月27日の諏訪市大会でがテリー・マーチンを相手に試運転。12月のクリス・テイラーとの十番勝負でついに完成させた。ヘビー級の鶴田がトップロープから相手の胸板をめがけてドロップキックを放つ迫力は、まさにミサイル級の衝撃があった。テイラーはミサイルキックで一本奪われている。しかし、この技は鶴田の看板わざとして定着することはなかった。

 

     
元祖?? リッキー・ギブソン   猪木のは・・・   ダイナマイト・キッド   高田伸彦

 

 さて、昭和46年夏に毒蛇にかまれた猪木が復帰した試合で、似たような技を使っていたとの情報が寄せられたが、当時のゴングに掲載された写真を見る限りでは、ミサイルキックと呼べるほどのものではなかったようである。しかし昭和50年代中盤に猪木はトップロープからのドロップキックを見せている。

 この技はその後、ジュニア・ヘビー級レスラーに多用されるようになる。初代タイガーマスクのミサイルキックは非常に打点が高かった。ダイナマイト・キッドは正面飛びスタイルで、蹴った後に背中で着地し、跳ね上がって見得を切るというアクションでファンを魅了した。売り出し中の高田のミサイルキックも強烈だったが、売り出し中につき、フィニッシュホールドにはなりえなかった。

 しかし、超ヘビー級の鶴田が、決めたミサイルキックの迫力は他のレスラーの比にならない。つくづく鶴田というレスラーの運動能力の高さには驚かされる。長期欠場から復帰した高山あたりが、これを使ったらファンも腰を抜かすであろう。

情報提供:ビル・ホワイト様

 

 2006年9月14日追記

 このコーナーをご覧頂いたHIさんから、ミサイルキックの元祖についてこのようなメールを頂いた。

 説明文に「元祖はリッキーギブソン」と記されておりましたが、それよりかな〜り以前、カーペンティアが披露している映像が残っています。猪木のような「微妙な・・・」ものではなく、まさに完璧な“ミサイルキック”です。週刊プロレスビデオ増刊号のレトロ編の1か2に収録されています。

 というわけで、早速ビデオを確認してみると、シカゴで行なわれたカーペンティア&ガニアVSリソワスキー兄弟の試合で、確かにカーペンティアがトップロープから、クラッシャーの背中をめがけてミサイルキックを放っていました! 元祖はカーペンティアか?!