ジャイアント馬場のジャンピング・ネックブリーカー・ドロップ

2002.3.30 update

 

 

ハリー・レイスからNWA世界タイトルを奪取した時のフィニッシュ!

 

     
             
16文と同じくサウスポー   確実に引っ掛けて   それからジャンプ   こう頭部を打ち付ける

 

 必殺技は、本来は必ずフォール、もしくはギブアップを奪える技という意味だろう。私が知る限り、本来の意味で必殺技とよべたのは、ジャイアント馬場のジャンピング・ネックブリーカー・ドロップしかなかったように思う。馬場はこの技をここ一番にしか使わない。3回NWA世界選手権のベルトを腰に巻いているが、フィニッシュは全てこの技だったと思う。因縁のハーリー・レイスにPWFヘビー級選手権を奪われた際のリターンマッチのフィニッシュもこの技であった。

 2メートルの馬場が飛び、相手の後頭部をマットに叩きつける。これほど素人目にも威力が伝わる技はなかなかなかった。それ以上に馬場のプロレスラーとして素晴らしいところは、この技を乱発しなかったことだ。インター選手権防衛戦でもほとんどこの技をフィニッシュには使わなかった。馬場はこの技を挑戦者としてリングに上がったときに温存していたのである。隠し玉的なこの技は、だからこそ効果があった。馬場の頭のよさがわかる必殺技である。

 

 
  ボロ・モンゴル時代には考えられなかったフィニッシュ

 

 もう一人、この技をフィニッシュにしたのがこれも大型のマスクド・スーパースター(ビル・イーディー)である。ご存知のように、マスクドの前身はモンゴルズの片割れボロ・モンゴルであった。モンゴル時代はベアハッグぐらいしか技のない木偶の坊だった。しかし、マスクをかぶりスーパースターを名乗ったとたん彼はパワーにスピードとテクニックを備えた一流レスラーに変身していた。そのパワー&テクニックの切り札がこのジャンピング・ネックブリーカー・ドロップ(フライング・スリーパーとも呼ばれた)だった。やはりこの技は大型レスラーが宙に浮くという点で、説得力をもつ技である。一時期メキシカンが多用したが、全く重みがなく業の魅力を半減させていた。2メートル近い大男が飛ぶ!これもプロレスの醍醐味なのだ。