モンゴリアン・ストンパーのストンピング

2000.4.4 update
2002.10.24改訂

 
     
馬場もキニスキーもこれには苦しめられた!

 

 今回の主役のモンゴリアン・ストンパーことアーチ・ゴルディは究極のB級レスラーといって差し支えないだろう。アントニオ猪木のアメリカ武者修業時代には、猪木と偽アジア人コンビを組んで、お互いに鎬を削って成長。後にはカナダでジン・キニスキーを破り幻の世界王者となり、「カナダにモンゴリアン・ストンパーあり」を知らしめた実力者である。日本のエース、ジャイアント馬場が苦手とした事でも語り継がれる強豪だ。

 しかし彼には実力に反比例して「B級」のイメージが常に付きまとう。その原因は彼の最大の売り物であった、昭和プロレス史に燦然と輝くストンピングという技である。対戦相手の足をV字型に持って、靴底に鉛が仕込まれているとも噂されたブーツを履いた右足で2、3回マットをドンドン!と踏みしめてから、大きく脚を振り上げて、腹筋を思いっきり踏みつける。このギミックが筆者には何ともチープに思えたのである。ストンパーに関して、それ以外の記憶は全くない。しかしこのストンピングの仕種だけは強烈に覚えているということは、これは偉大なるギミックなのである。