ラッシャー木村の回転足四の字固め

2000.9.1 update

 

     
まず互いの右足をフック    前方に回転・・・   自分の右足に左足をフック   相手の右足をぐいぐい・・・梃の原理!

 

アップが遅れましたが、せんだって昭和プロレス掲示板にて話題になったラッシャー木村の幻の必殺技「回転足四の字」の登場です。当時の木村は若鷲と呼ばれ、ヨーロッパ遠征に旅立つストロング小林の穴を埋めるために1年に渡るアメリカ遠征から凱旋帰国、その手土産として公開したのが、この秘密兵器と言う訳です。しかし、公開練習までしていながらこの技をラッシャーはほとんど使わずに封印してしまったと言う。写真をご覧になればわかると思うんですが、秘密兵器と言うにはあまりに地味過ぎる!しかも回転足四の字といいながら、回転するのは技に入る時だけと言うのは、いかがなものかという・・・。その上四の字になるのは自分の足というのも
なかなか味わい深い!2の写真のサンダー杉山の顔も笑ってるように見えるんですが?ちなみに実験台はマイティー井上です。

結局ラッシャーを売り出すために編み出したこの技は評判を呼ばず、その代わりに国際プロのフロントが考えたのがドクター・デスとの因縁 → 金網デスマッチと言う訳である。これを機会にラッシャー木村のニックネームは「若鷲」から「金網の鬼」へと変わっていったのである。もしこの技で人気が爆発していれば、金網デスマッチは国際プロの名物にならなかった・・・と言うのはいささかこじ付けがきつすぎるだろうか?

さて、この技は木村一代のものと思われていたが、なんと52年に行われたデビル紫を挑戦者に迎えてのIWA世界ミッドヘビー級選手権で寺西勇が公開していた。しかしよーくみると、これは相手の足がインデシアンデスロック状態になっている。そして木村バージョンのように相手の足をつかんでぐいぐいやるのではなく、自分の足でフックしている。これでは動きが少なく、観客へのアピール度は低いようにおもう。

 

 
ニューバージョンの回転4の字固め   これまた幻に消えた裏四の字固め!

 

さて、ラッシャー木村の「3大幻の必殺わざ」と言えば、今回紹介した回転足四の字固めと、裏四の字固め、そして風車吊りである。そんな中で裏四の字固めの画像を発掘(?)したので、ここで紹介したい。対戦相手はスティーブ・オルソノスキー。56年5月のIWA世界ヘビー級選手権のフィニッシュである。写真で見る限り、オルソノスキーの足は四の字になっているが、木村の足がどのような状態になっているかは不明。ちなみに木村は55年のライディー・タイラーとのIWA世界戦でもこの技をフィニッシュに使っている。この技ならいまの木村でも復活させることが出来るんじゃないだろうか?