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デイヴ・クラーク・ファイヴ / THE DAVE CLARK FIVE      
   
   
     
     US LPs   
 
 
 英COLUMBIAと契約以降のDC5の音源はアメリカではCBSからリリースされた。本国イギリスをはるかにしのぐカタログ数がリリースされている。

* 以下解説後の英、米、日はシングル・カットされた国を表しております。各シングル盤のコーナーも参考にして下さい。


解説=ルター電子レンジ氏
 

GLAD ALL OVER
Epic LN-24093(mono)
Epic BN-26093 (stereo)
Mar. 1964

レア度 : ☆

sideA
Glad All Over
All of the Time
Stay
Chaquita
Do You Love Me

sideB
Bits & Pieces
I Know You
No Time to Lose
Doo Dah
Time
She's All Mine

Beatlesに続いて全米にセンセーションを巻き起こしたDC5のファースト・アルバム。
出すアルバムがほとんどチャート1位となり、ミリオン・セラーとなったBeatles には及ばないものの、ビルボード3位、キャッシュボックス6位、RIAA認定のゴールド・ディスクとDC5ではもっと売れたアルバムとなった。ひたすらハードでラウドな音で、勢いを感じさせる。
アメリカのコラムニストBob Greene(ボブ・グリーン)の日記、Be true to your school(「17歳1964春」文春文庫)の一説より。

3月8日
「夜の『エド・サリヴァン・ショウ』にデイヴ・クラーク・ファイヴが出た。かなりイカスが、ビートルズとは比べ物にならない。番組が終わった後、彼らが歌った『グラッド・オール・オーヴァー』をギターで練習した・・・」 

出すアルバムがほとんどチャート1位となり、ミリオン・セラーとなったBeatles との差はこんなものなのでしょうか。


Glad All Over
元祖パワー・ポップなどと評価されているが、当時ではまれな、分厚いサウンドと完成度。2007年から8年にかけてのBon Joviのツアー(日本を含む)のオープニング・ナンバーとしてカヴァーされた。2008年2月に他界したマイク・スミスへのオマージュとなってしまったのが残念でならない。英、米、日

All Of The Time
イントロもためもなく、いきなり歌と演奏が同時に始まる。スライドするギターと、ベースとギターがユニゾンの間奏が印象的。英、米

Stay
Maurice Williams & the zodiacs(モーリス・ウイリアムスとゾディアックス)の60年のno.1ヒット。原曲や、Holliesのカヴァーと比べて特筆すべきはやかましさ。特にドラムスは叩きまくり。

Chaquita
マイナー・デビューの曲にパーカッションを加えリズムを強化した焼き直し盤。デビュー曲への思い入れから収録か。米、日

Do You Love Me
頭のドラムスからエンジン全開で、剛球の一本勝負。原曲はもとより、同時期にカヴァーしているBRIAN POOLE & THE TREMELOESやHolliesのものと聞き比べるとパワーが実感できる。 英、米、日

Bits & Pieces
ロック殿堂入りのパーティーでは、Joan Jett(ジョーン・ジェット)が熱演。映画「ポップ・ギア」のテーマ曲でMatt Monro(マット・モンロー)に歌われた一節「デイブ・クラークも足を踏む」のキャッチ・フレーズ曲。カナダのチャートでは1位に。英、米、日

I Know You
Glad all over のカップリング曲、ヒット性ではGladに劣るが、腰の据わったベースで、重さ荒削りのパワーはこちらが上。 英、米、日

No Time To Lose
幻となったシングル盤「Twist and shout」のバック・トラックを使用か?

Doo Dah
EMIデビューのThe mulberry bushを模したような曲。原曲はFoster(フォスター)の草競馬?こちらのほうが出来は良い。 英、米

Time
ジャージーなインスト。ダンス・ホールのハコバン時代、Kenny Ball、Acker Bilk(ケニー・ボール、アッカー・ビルク)等のナンバーを演奏していたことがしのばれる。デニス・ペイトンのサックスと、Timeをきざむブラシ・スティックが印象的。

She's All Mine
2拍3連を強調した、Glad all overの従兄弟みたいな曲。

 

RETURN !
Epic LN-24104(mono)
Epic BN 26104(stereo)
June 1964
レア度 : ☆

side A
Can't You See That She's Mine
I Need You, I Love You
I Love You No More
Rumble
Funny

side B
Zip-A-Dee-Doo-Dah
Can I Trust You
Forever And a Day
Theme Without a Name
On Broadway

前作「Glad all over」でBeatlesに次ぐ旋風を巻き起こし、わずか期間をおいて発売されたセカンド・アルバム。前作よりはおとなしく、ポップな作品で占められている。前作と比べてシングル曲は少なく、わずか2曲。ビルボード5位、キャッシュボックス7位。

Can't You See That She's Mine
あわただしいベースがちょっと危なっかしい、ロックン・ロール。邦題は「カッコいい2人」 シングル盤参照。英、米、日

I Need You, I Love You
ガールズ・グループでも似合いそうなゴキゲンなポップ・ナンバー。パワー・ポップではないがこれももう一つのDC5サウンド。

I Love You No More
やや黒っぽい、ブルース進行に近い曲。オルガンのリズムの切り方が後のDOORSっぽい。

Rumble
鬼(奇)才リンク・レイのインスト曲。ギターのトレモロ奏法と音のシャワーのようなシンバルが印象的。筆者は日本版のセッションウィズでこの曲に出会ったが、中学生当時、お経の伴奏のようなこの曲が苦手で、飛ばしていた。

Funny
クラーク・ペイトン作の軽快なポップ。

Zip-A-Dee-Doo-Dah
ディズニー映画「南部の歌」の主題歌で、その後Bob B. Soxx and the Blue Jeansにより62〜3年にヒットした。本来ならミュージカルで歌われるような曲だが、DC5バージョンはイントロから重苦しく、ガラガラ蛇の威嚇音みたいなハーモニカが苦手で、Rumble同様飛ばしていた記憶がある。サビの終わりのあぶなっかしい低音ボイスはクラークらしい。

Can I Trust You
Peter&Gordonあたりに似合いそうなフォークっぽいナンバー。クラーク・ロン・ライアンの作。

Forever And A Day
この時期にあっては、Becauseと対比されるバラード。しかし、ひっかかったようなシンバル・ワークが気がかり。

Theme Without a Name
ダンス・ホール時代の閉店もしくはチーク・タイムのナンバー。この曲もドラムのずれが気にかかる。邦題は「題名のないメロディー」 日

On Broadway
黒人コーラス・グループ、Drifters の63年のヒット曲。洗練されたポップ的なリズム&ブルース。DC5のカヴァー曲は原曲をよりスピード・アップ、パワー・アップされたアレンジのものが多いが、この曲は原曲にかなり忠実に演奏されている。

 
AMERICAN TOUR Vol. 1
Epic LN-24117 (mono)
Epic BN 26117 (stereo)
Aug. 1964
レア度 : ☆
side A
Because
Who's He Think He Is
Move On
Whenever You're Around
I Want You Still
Long Ago

side B
Come On Over
Blue Monday
Sometimes
Anytime You Want Love
I Cried Over You
Ol' Sol
 

リリース・ラッシュは続き3枚目にして始めて全曲オリジナル。もっとも、無理やりにインスト曲で、曲数あわせをしている感が無きにしも非ず。バラード曲のBecauseを頭にしているせいか、パワーは前作以上に鳴りを潜めている。シングル曲は4曲だが、米では2曲。ビルボード11位、キャッシュボックス16位。

Because
レコード・コレクター誌の英国のロック・ポップ1955〜66ベスト100では34位にランクされた。もし、バラード系ポップなどというジャンルなら5位以内確実か。英、米、日

Who's He Think He Is
アコースティック・ギターのリフに、ドドンドドンと重いリズムがかぶさるユニークなナンバー。邦題は当時ヒットしていたNancy sinatraの「にくい貴方」にあやかってか?「にくいあいつ」

Move On
同時期のRolling stonesのインスト・ナンバー「Stoned」に似たインスト曲。Stonesと比べると、ブルース・フィーリングは希薄で、明るい曲調になっている。 英

Whenever You're Around
「Because」同様ボアーンとしたオルガンが鳴り響く、ほのぼのとした感じがしみじみと伝わってくる好バラード。 英、日

I Want You Still
キャッチーなメロディなアップ・テンポのナンバー。

Long Ago
ベースとリバーブの聴いたギターのみのバラード・ナンバー。分厚いサウンドと対比させるためか、この手の楽器の少ない曲がDC5にはよくある。

Come On Over
「Glad All Over」の息子のようなアップ・テンポのナンバー。

Blue Monday
スローなブルース風のインスト・ナンバー。タイトルどおり、なんか気だるい感じがある。

Sometimes
クラーク・ライアン(ロン・ライアン)作のきわめてポップなナンバー。当サイトの管理人様のお好みの一曲。

Anytime You Want Love
DC5にはちょっと異色な、透明感のあるコーラスのバラード。

I Cried Over You
重いベースから入る、いかにもDC5調なバラード。隠れた人気曲。

Ol' Sol
多分即興で作ったと思われるインスト・ナンバー。 U

 
COAST TO COAST
Epic LN 24128 (mono)
Epic BN 26128 (stereo)
Dec. 1964

レア度 : ☆
sideA
Any Way You Want It
Give Me Love
(aka I Can't Stop Loving You)
I Can't Stand It
What Is There to Say
 (a.k.a. I'm Left Without You)
Everybidy Knows (I Still Love You)
Crying Over You
sideB
Say You Want Me
When
Don't You Know
To Me
It's Not True
  
 早くも4枚目しかも、全曲オリジナルと怒涛のリリース・ラッシュ。このアルバムがリリースされた頃のボブ・グリーンの「Be true to your school(17歳1964秋)」にはこのよう記述がある。

12月19日
 今日はデイヴ・クラーク・ファイヴの高校生向けの記者会見の日。〜 中略 〜
行ってみると、すでに会場もコロンバス中の高校から集まった高校生であふれかえっていた。〜 中略 〜  著者の質問「このあとどこへ?」にクラークが答えた「明日クリーヴランドへ行き、その後はたしかデトロイトへ行くはずだよ」彼が僕の質問に答えている間、メンバーが全員僕のほうをみていた。すごい

Coast to coast=大陸横断中のオハイオ州コロンバス公演での出来事と思われます。もっとも、この後ボブー・グリーンは、「DC5はコロンバスに来るけど、Beatlesはコロンバスは小さすぎ来ない。ビートルズはNYやシカゴ、ロスのグループであり、DC5はコロンバスのグループなのだ」と結論している。
さて、このアルバム、短い曲が多くてすぐ終わってしまうのがたまに傷だが、ビート系のパワー・サウンドと上品なバラードが程よくミックスされた好アルバムである。
ビルボード6位、キャッシュボックス10位 

Any Way You Want It
問答無用のパワー・サウンド。
この曲に関する思い出として、アマチュア・バンドをやっていた筆者がバンド・コンテストに出場した際、ゲストのプロバンドがオープニングに演奏した。「さすがプロはすごい」と感心した記憶がある。そのバンドは,ジ・エドワーズで、大成せずに終わった。 英、米、日

Give Me Love(aka I can’t stop lovin’ you)
ハイ・テンポでノリノリのビート・ナンバー。

I Can't Stand It
JロックバンドのLRもカバーしたビート・ナンバー。一曲目からここまでは一気呵成に攻め立てる。

What Is There To Say(I’m Left Without You)
アップ・テンポが続いた後のほっと一息。クラーク・ペイトン作のロッカ・バラード。このラインから後の傑作「I Miss You」を生む?

Everybody Knows (I Still Love You)
日本では、Any wayのB面だったが、地味ながら名曲であると思う。作曲者(多分)のレニー・デビットソンのメロディー・メイカーとしての才能ももっと評価されるべきと思う。 英、米、日

Crying Over You
 この曲も地味ながら良い曲である。アメリカではこちらがAny WayのB面だが、まるで違うバンドだ。 英、米

Say You Want Me
 「Any Way You Want It」の子分のような曲。迫力はあるがすぐ終わる。 英

When
「忘れ得ぬ君」の邦題で日本で人気の高い曲。日本人好みのマイナー調で、GSの曲にも影響を与えた。成毛茂の在籍していたフィンガーズではアート・ロック調のアレンジでカヴァー、ブルー・コメッツの井上忠夫(大輔)はソロ・アルバムでカヴァー、解散前のタイガースも、ファズ・ギターのアレンジで演奏しているのをラジオで聞いたことがある。映画「having a wild weekend」でもインスト・バージョンを含め印象的に何度も流れた。しかし、このアルバムでは異質な曲である。
DC5解散後の73年にコーラス・グループのLettermen(レターメン)によりBecauseがカバーされ、中ヒットしたが。もしこの曲をカバーしても同程度にはヒットしたと思うのは筆者だけだろうか? 日本に於いては、シングル、EP、数枚のアルバムと多く収録されている。
J
Don't You Know
パクリのサイトで、Billy joelの「Stranger」の元ネタとして紹介された。確かに同じようなメロディーだがBillyがパクったかどうかは疑問。billyはSteve winwoodのファンだったというが、それなら同様にヴォーカリストでキーボーディストのマイク・スミスを意識していた可能性があり、DC5を聞いていたことも考えられる。
To Me
しまった感じの好バラード。演奏にも構成にも無駄がない。・・・無駄がなすぎて短いが。

It's Not True
後のハード・ロックぽいずっしりしたイントロのロック・ナンバー。意外なことにこのアルバムに於いてクラーク・スミス作はこの曲のみ。
 
WEEKEND IN LONDON
Epic LN-24139 (mono)

Epic BN 26139 (stereo)
Mar. 1965
レア度 : ☆
side A
Come Home
We'll Be Running
Blue Suede Shoes
Hurting Inside
I'll Never Know
'Til the Right One Comes Along

side B
I'm Thinking
Your Turn to Cry
Little Bitty Pretty One
Remember It's Me
Mighty Good Lovin'

 初期のDC5としては地味なヒット曲「Come Home」フィーチャーした。5枚目のアルバム。前作より落ち着いた感じで(ハードな曲もあるが)、全曲オリジナルではないが、トータル性を感じさせるバランスのよさがある。6曲が英、米、日のいずれかでシングル・カットされているビルボード24位、キャッシュボックス24位

Come Home
ベンEキングの「Stand by me」を思わすようなベースがリードするブリティッシュ・ソウル・バラード。Long agoの項で書いた、「ベース中心で楽器の少ない曲」の代表。日本製のドゥワップの傑作キング・トーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」は曲の感じ、構成がこの曲にかなり似ていると思うのだが・・・。パクリ云々は別として。英、米、日

We'll Be Running
典型的なDC5サウンドだが、幾分軽めになってきており、Catch us if you canにつながる軽さがある。Aメロ終わりの低音はクラークか?

Blue Suede Shoes
Carl Perkins(カール・パーキンス)のロックン・ロールスタンダード。Perkinsよりも、有名なPresley(プレスリー)バージョンよりもはるかにパワフル。Blue blueの最終コーラスを省いている。

Hurting Inside
日本では「I like it like that」とAB逆転しA面で発売。ヒットはしなかったが、名曲として評価されている。米、日

I'll Never Know
前曲と同じくI’ll never knowという歌詞で始まる。こちらはマイナー調で重い苦しく、どこか感傷的なハーモニカが味付けをしている。

'Til the Right One Comes Along
ガット・ギターとピアノ(間奏とエンディングのみ)のみのバラード。

I'm Thinking
パワー・コードとサックスのリフと、パンパンに皮を張ったドラムスの連打が印象的なビート・ナンバー。 米

Your Turn to Cry
Because調の、当時のDC5には珍しい3分を越えるメロディアスなバラード。 米

Little Bitty Pretty One
Bobby day(ボビー・デイ)の57年のヒット曲。カヴァー曲はよりスピーディー、パワフル、短い、のとおりわずか1分20秒の熱唱。 英、日

Remember It's Me
ほとんどベースとシンバルだけのバック演奏。残響の効果が記憶喪失者のMEのような効果だ。

Mighty Good Lovin'
 サビの後の一瞬の休符がスリリングな(一度目は完全休符、二度目はベースが入る)、味のあるビート・ポップ。この時期の彼らにしては長い曲で聞き応えも充分。 英、日

 
HAVING A WILD WEEKEND
Epic LN-24162 (mono)
Epic BN-26162 (stereo)
Aug. 1965

レア度 : ☆
side A
Having a Wild Weekend
New Kind of Love
Dum-Dee-Dee-Dum
I Said I Was Sorry
No Stopping
Don't Be Taken In

side B
Catch us if you can
When I'm Alone
If You Come Back
Sweet Memories
Don't You Realise
On the Move

 DC5の主演映画「HAVING A WILD WEEKEND」のサントラ盤(サントラといえるかどうかは別として)。全曲が映画に使われたわけではないが、インスト曲を含め、サントラっぽい雰囲気はある。映画の内容はここでは省略するが、当時のDC5の人気もあって、高い興行収益を収めたそうである(日本ではさっぱり)。全曲オリジナル。ビルボード15位、キャッシュボックス11位。

Having a Wild Weekend
 Pau(ポール・マッカートニー)が「Long Tall Sally」を元に「I'm Down」を作ったように、「Reelin and Rockin'」を元に作られた。マイク・スミスのシャウト全開。日

New Kind of Love
 「I Need You I Love You」や「Hurtin Inside」タイプのキャッチーなメロディアス路線。

Dum-Dee-Dee-Dum
 Venturesのrunning wildやdiamodに良く似た、インスト・ナンバー。レニー・デビットソンのAl caiola(アル・カイオラ)風のギターに、サックスが絡む。

I Said I Was Sorry
 ピアノの低音とギターの滑らかなカッティングに重苦しいコーラスが印象的なナンバー。このアルバムの曲は粒ぞろいだが、この曲もインスト曲に挟まれながら、存在感を示している。

No Stopping
「Batman’s theme」(バット・マンのテーマ)っぽいリフに「Chaquita」のメロをのせたような、アクション・ドラマのテーマ風のインスト・ナンバー。

Don't Be Taken In
ピアノとギターをフィーチャーしたソリッドなサウンドで、このアルバムに限りサウンドの変化が感じられる。

Catch us if you can
日本でも結構ヒットしたので、DC5といえばこのタイプのバンドかと思われがちなのは残念だが、親しみやすいメロの名曲。但し、リアル・タイムで聞いたときはがっかりした記憶がある。 英、米、日

When I'm Alone
哀愁を感じさせるハーモニカとDuane eddy(デュアン・エディ)風の太いギターのメロで聞かせるムード・インスト。

If You Come Back
「Don't Be Taken In」同様クラーク・デビットソン作。シングル・ヒットにはいまいち足りないが調子のよいポップなナンバー。

Sweet Memories
まるでPercy Faith(パーシー・フェイス)のようなムード・インスト。これまた、Duane eddy(デュアン・エディ)風のギターがフィーチャーされている。

Don't You Realise
隠れた名曲のひとつ。サックスは控えめで、洗練されたサウンドになっている。

On the Move
大滝詠一氏いちおしのサーフィン調インスト。イントロのドラムス、続いてベースのトレモロ・グリッサンド、パイプライン風のギターリフ、メロともいえないようサックスのフレーズ、後半に一箇所だけはいるオルガン等等、DC5のサウンドそのもの。英、日

 
I LIKE IT LIKE THAT
Epic LN-24178(mono)

Epic BN-26178(stereo)
Jan. 1966
レア度 : ☆
side A
I Like It Like That
Pumping
I Need Love
Maybe It's You
That's How Long Our Love Will Last
A Little Bit of Love
side B
I'll Be Yours My Love
Please Love Me
Goodbye My Friends
I Am On My Own
She's a Loving Girl
You Know You're Lying

初の主演映画も公開され、シングルOver And Overが初の全米1位と人気絶頂時に発売されたが、より売り上げが期待できるベスト・アルバムGREATEST HITSを控えていたためか、これまでのアルバムと比較しても一番劣る内容で、チャート・アクションも芳しいものではなかった。ヒット曲とはいえオリジナルではないI Like It Like Thatをタイトルにした点といい、無理やり作ったという感じがいなめない。曲の出来もさることながら、演奏も大雑把な感じ。同時期にライバル?Beatlesが「Rubbre Soul」を発表していることを思うと考えさせられることが多い。 ビルボード32位、キャッシュボックス41位

I Like It Like That
Chris Kenner(クリス・ケナー)の61年のヒット曲(2位)。DC5バージョンも6位でゴールド・ディスク。ど迫力ヴォーカルとノイジーなサウンド。初期のパワー復活。米、日

Pumping
軽いウォーミング・アップのようなインスト曲。もう少し凝っても良いと思うのだが。

I Need Love
マイク・スミスシャウトしまくり。曲は単純。英、日

Maybe It's You
ファズ・ギターを使った、行進感のあるビート・ナンバー。曲は悪くないが、演奏(録音状態)が良いとはいえない。

That's How Long Our Love Will Last
コーラスもこもっていて、重苦しい賛美歌のようなバラード。これも曲自体は悪くないが、演奏・アレンジがいまいちか。

A Little Bit Of Love
前曲と同タイプのバラード、中途半端な録音という感じがする。

I'll Be Yours My Love
このアルバム中最高の出来。ほどほどにブラック・フィーリングのある。ポップ・バラード。DC5のB面曲、アルバム曲の中でも、上位の曲。英、米、日

Please Love Me
 ポップなナンバーだが、未完成というかアレンジ特にサビが荒い感じがある。間奏の甘いサックス・ソロは聞き所でなんかホッとした感じにさせられる。

Goodbye My Friends
New Kind Of Loveタイプのキャッチーなメロなナンバー。ドラムとピアノのアクセントはかえって聞きづらくさせていると思うのだが。このアルバムの中では良い出来のほう。
I Am On My Own

BeatlesのBaby’S In Blackのようなギターで始まる。レニー・デビットソンがラフなヴォーカルをとるフォーク・ロック風のナンバー。DC5には珍しいタイプ。

She's A Loving Girl
ややはねた感じの8ビートで当時のR&B(ソウル)風でスタックス系とかJames Brown
(ジェームス・ブラウン)ぽいと言えば言えるが、中途半端な出来。後のブラス路線に頻発する、ow!というマイク・スミスのシャウトをすでに聞くことが出来る。

You Know You're Lying
「COAST TO COAST」頃のタイプのビート・ナンバータイプだが、以前の熱気とかパワーには欠けている。
 

GREATEST HITS Volume 1
Epic LN-24185 (mono)
Epic BN-26185 (stereo)
Mar.1966

レア度 : ☆

sideA
Over And Over
Everybody Knows (I Still Love You)
Can't You See That She's Mine
Bits And Pieces

I Like It Like That
sideB
Any Way You Want It
Because
Do You Love Me
Catch Us If You Can
Glad All Over
 
 DC5初のベスト・アルバム。初のNO1ヒットOver And Overを中心に文字通りヒット曲を集めたもので、RIAA公認のゴールド・ディスク。しかし、以降人気は下降する。予定通りのリリースと思われるが、前作でチャート(売り上げ)が落ちたので、急遽発売ととれなくもない。各楽曲に関しては、紹介済みなので、シングル盤、各アルバムを参照。ビルボード9位、キャッシュボックス7位。

Over And Over シングル英、米、日参照。
Everybody Knows (I Still Love You) シングル英、米、日、LP 「COAST TO COAST」参照
Can't You See That She's Mine シングル英、米、日、LP 「RETURN」参照
Bits And Pieces シングル英、米、日、LP 「GLAD ALL OVER」参照
I Like It Like That シングル米、日、LP 「I LIKE IT LIKE THAT」参照
Any Way You Want It シングル英、米、日、LP 「COAST TO COAST」参照
Because シングル英、米、日、LP 「AMERICAN TOUR」参照
Do You Love Me シングル英、米、日、LP 「GLAD ALL OVER」参照
Catch Us If You Can シングル英、米、日、LP「 WILD WEEKEND」参照
Glad All Over シングル英、米、日、LP「GLAD ALL OVER」参照
 
  TRY TOO HARD
Epic LN-24198 (mono)
Epic BN-26198 (stereo)
June 1966
レア度 : ☆
 
sideA
Try Too Hard
Today
I Never Will
Looking In
Ever Since You've Been Away
 
sideB
Somebody Find a New Love
I Really Love You
It Don't Feel Good
Scared of Falling In Love
I Know
   失敗作ともいえる「I LIKE IT LIKE THAT」と、ゴールド・ディスクとなった「GREATEST」の後を受け発売されたが、「I LIKE IT LIKE THAT」同様、ぱっとしない内容となった。トトゥナウム・サウンドの完成品とも言われる Try Too Hardを冠としたアルバムとしては残念でならない。サウンド面では、ドラムスの音がこれまでのよりスネア・ドラムの皮をゆるめた音になっている。 ビルボード77位、キャッシュボックス25位。

Try Too Hard
DC5サウンドの完成品。これ以上も以下もない感じに仕上がっている。You Tubeに別バージョンの映像があったが、イントロとエンディングが長くてサビは2回の長いバージョンだった。リミックスの段階でレコード・バージョンにカットされたのだろうが、短いレコード・バージョンの方がいい。英、米、日

Today
When(忘れえぬ君)を彷彿させるバラードだが、パーカッションの多様がかえって聴きずらくしている。もっとシンプルにメロディーを生かしたほうがよかったのでは。

I Never Will
思わずハンド・クラップをしたくなるようなアップ・テンポのビート・ナンバー。Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)が在籍したThe Stone Poneysのヒット曲Different Drumに似ている。ギターのウラのカッティングがややスカやレゲエっぽい。

Looking In
前曲と同じようなコード進行で電子音のようなエレピのリフより始まる。前曲の続編。

Ever Since You've Been Away
しいて言えば、ウエスタンの主題歌のような曲。コーラスで聞こえる声はデニス・ペイトンか。というよりマイク・スミスとペイトンのダブル・ヴォーカルというべきか。

Somebody Find a New Love
特に特徴もない、DC5らしいと言えば言えるミディアム・テンポのナンバー。

I Really Love You
低音のファズ・ギターから始まるガレージ・タイプの曲。

It Don't Feel Good
Reelin’ And Rockin’と同じようなイントロだが、歌が始まるとこけてしまうような内容。

Scared of Falling In Love
前2曲とはうって変わって、後のJuriaの原型みたいなバラード。

I Know
ジャングル・ビート風の疾走感のあるナンバーで、このアルバムでも出来の良い方。出来の悪いアルバムだが、最後で少しはしまった感がある。

 
  SATISFIED WITH YOU
Epic LN-24212 (mono)
Epic BN-26212 (stereo)
Sep. 1966
レア度 : ☆
 
sideA
Satisfied With You
Go On
Do You Still Love Me
I Meant You
Look before you leap
 
sideB
Please Tell Me Why
You Never Listen
I Still Need You
It'll Only Hurt For a Little While
Good Lovin
 
 66年はDC5にとって苦しい年となった。出すシングル、アルバムとも一応チャート・インは果たしているが、ランキングは下降する一方。このアルバムも前2作よりは出来がいいとは言え、人気回復となる内容ではなかった。筆者はこのアルバムのステレオ盤を所有しているが、疑似ステレオ。 ビルボード127位、キャッシュボックス85位


Satisfied With You
カントリー・タッチのこれまでのDC5にはなかったタイプ。イメチェンをはかったのか、苦し紛れのシングルか、多分後者と思える。米

Go On
オルガンとアコギだけのバックで歌われる、ちょっとミステリアスな感じの曲。

Do You Still Love Me
Having A Wild Weekendの頃に作られたのでは思われる。ピアノとギターのサウンドにいかにもブリティッシュ風のコーラスが絡む案外深みのある曲。

I Meant You
BeatlesのI Should Have Known Betterのハーモニカのフレーズを借用したビート・ナンバー。ライブっぽく録音してあり、荒々しい初期のマージー・ビートのようだ。ただし、マージー・ビート特有のリズム・ギターのカッティングはなく、オルガンが音の壁となっている。

Look Before You Leap
出来は悪くないが、DC5としてはなんとも中途半端なビート・ナンバー。比較的ゆっくり目なテンポ、緩めた皮のドラミング、ちょっとだれた感じがある。邦題は「目かくしの恋」次曲とカップリングで、英日ではA面。英、米、日

Please Tell Me Why
Beatles の You’ve Got Hide Your Love Wayを上品にした感じの曲。ベースをなぞるサックス、ギターの滑らかなカッティングと出来は良いが、大ヒットするほどの曲ではない。逆にこの程度の曲ですらヒット・チャートにランクさせてしまうのはDC5の人気ゆえである。米のみA面。英、米、日

You Never Listen
ラフな感じのギター・コードで始まるビート・ナンバー。スミスとペイトンのヴォーカルだが、後半どうしてもマイク・スミスのシャウトの方が目立ってしまう。

I Still Need You
暗い感じのバラード。前アルバムにもよくあるタイプの曲。

It'll Only Hurt For a Little While
WhoのMy GenerationをDC5風にコンパクトにまとめたような曲。サウンドもガレージ化している。2分足らずで終わるが、もっとグシャグシャにしてもよかったと思うのだが。

Good Lovin
Young Rascals(ヤング・ラスカルズ)のbPヒットのカヴァー。NYのクラブ出演中のRascalsを気に入り見出したのはDC5だそうである。カヴァー曲はよりスピーディー、パワー・アップが特徴だが、この曲に関してはテンポを落としガレージ風のノイジーな演奏になっている。原曲のはつらつとした感じはない。
 
 

MORE GREATEST HITS
Epic LN-24221 (mono)
Epic BN-26221 (stereo)
Nov. 1966

レア度 : ☆

 
sideA
Try Too Hard
Please Tell Me Why
I'm Thinking
Reelin' And Rockin'
Come Home
 
sideA
Look Before You Leap
At the Scene
Satisfied With You
All Night Long
Don't Let Me Down
 
 レコード・セールスが落ちてきたところで、同年3月の「GREATEST」に続いて発売。全てシングル曲でA面6曲B面4曲という布陣だが、トップ10入りの曲はなく(Try Too HardはBillboad11位、Cash Box10位)ベスト盤として淋しい内容。従って、チャートも芳しくなくビルボードでは100入りも果たせなかった。各楽曲に関してはシングル盤の項参照。Don’t Let Me Downは米シングル、英は未発表、日はアルバム「ナインティーン・デイズ」に収録。ビルボード103位、キャッシュボックス49位。

Try Too Hard シングル英、米、日、LP 「TRY TOO HARD」参照
Please Tell Me Why シングル英、米、日、LP 「SATISFIED WITH YOU」参照
I'm Thinking シングル米、LP「 WEEKEND IN LONDON」参照
Reelin' And Rockin' シングル米、日参照
Come Home シングル英、米、日、LP 「WEEKEND IN LONDON」参照
Look Before You Leap シングル英、米、日、LP 「SATISFIED WITH YOU」参照
At the Scene シングル米、日参照
Satisfied With You シングル米、LP 「SATISFIED WITH YOU参照」
All Night Long シングル英、米、日参照
Don't Let Me Down シングル米、LP「 ナインティーン・デイズ」参照
 
  5 By 5
Epic LN-24236 (mono)
Epic BN-26236 (stereo)
Mar. 1967
レア度 :
 
sideA
Nineteen Days
Something I've Always Wanted
Little Bit Strong
Bernadette
Sitting Here Baby
 
sideB
You Don't Want My Lovin'
How Can I Tell You
Picture of You
Small Talk
Pick Up Your Phone
 
 多分契約履行の為か、無理やりリリースしたようなアルバム。タイトル曲はともかく、Sitting Here Baby やBernadetteといった高水準な曲もあるのだから、もう少しリリースの間をおいて選曲を吟味すればと思うのだが。当時の潮流だったフォーク・ロック、サイケデリック、或いはラガ・ロックといったブームにも乗り切れず中途半端なガレージ・サウンドで、音楽面に於いても苦しい内容となっている。
また、Monkeesや同型ともいえるPaul Revere And The Raidersなどの出現により、人気的にも苦しくなってきた。それでもランク・インを果たしまだまだYardbirdsやKinksよりも売れてはいた。 ビルボード119位、キャッシュボックス66位

Nineteen Days
上品なファズ・ギターが特徴。はっきり言って、シングルのA面にはちょっと苦しい。いきなりファルセットで「インナイチンデイ」だから最初に聞いた時はびっくりした。
英、米、日

Something I've Always Wanted
スロー・ブルースっぽい出だしのソウル風ナンバー。曲もマイク・スミスのヴォーカルも悪くはないが、即興で作ったよう曲。

Little Bit Strong
ヴォーカルとベースの掛け合いのガレージ・タイプの曲。僅か1分24秒。

Bernadette
アコースティック・ギターを生かしたバラード。この時期というより、全オリジナルの中でも出来の良い方。

Sitting Here Baby
Lovin Spoonful(ラビン・スプーンフル)のDay Dreamを思わすようなナンバー。マイク・スミスのヴォーカルも、リラックスしていて渋みが加わって良い。英、米、日

You Don't Want My Lovin'
Am C D Dmのコード進行で即興に作ったような曲。スローからアップ・テンポになったりして変化をつけ3分近い長い曲。英、日

How Can I Tell You
朗々とした感じの歌い出し、案外盛り上がるサビ、このアルバムの中では出来のよい方。

Picture of You
Satisfied with youと区別がつかないほど似た曲。セルフ・パクリ。

Small Talk
ベースのワン・フレーズの曲だが、このアルバムの中では存在感がある。英

Pick Up Your Phone
普通のビート・ナンバーだが、タイトなベース、スライドさせたコードでリズムにアクセントをつけるギターなどに特徴がある。ボリューム・コントロールしてモタリ気味に入るサビのギターも印象的。
 

YOU GOT WHAT IT TAKES
Epic LN-24312 (mono)

Epic BN-26312 (stereo)
Aug.1967

レア度 :

sideA
You Got What It Takes
Ive Got To HaveThe Reason
You Don't Play Me Around
Thinking Of You Baby
Lovin' So Good
sideB
Doctor Rhythm
Play With Me
Let Me Be
Blueberry Hill
Tabatha Twitcht
 
  久しぶりの大ヒットYou Got What It Takesをフィーチャーした通産13枚目のアルバム。因みにこの時点で本国イギリスでは僅か3枚、日本では7枚のアルバムが発売されている。まず記すべきはこのアルバムから完全にステレオ録音がなされており(これまでは擬似ステレオ)、全ての曲をステレオ・バージョンで聞くことが出来る。
この頃からサウンド面としては、ベースの音がカタカタとピッキングのアタック音が強調され、オルガンの音は回転スピーカーを使用したと思われる音になっている。また、数本のブラス・セクションを加えた曲も目立ち始める。ビルボード149位、キャッシュボックス77位。

You Got What It Takes
音の作りはglad all over と同じだが(プラス数本のブラス)、深いエコー、後追いのコーラスがなく、ヴォーカルはマイク・スミスの独壇場。日本に於いても9500万人のポピュラー・リクエストでも5位まで上がるヒットで「青空の恋」の邦題もぴったり。しかし、Rolling Stonesには絶対つかない邦題だ。  英、米、日

Ive Got To HaveThe Reason
シングルで発売された(前曲の前に)完成度の高いポップ・ロックだが、この時期では大ヒットは望めない。DC5にしては、低いランクに終わったが、64年デビューのブリティッシュ・バンドでこの時期にもランク・インしているバンドはBeatlesとStones,AnimalsそしてDC5くらいのもの。米

You Don't Play Me Around
日本でもA Little Bit Now(青空はちょっぴり)とのカップリングで発売されたが。当時中三の私はPink Floyd(ピンク・フロイド)のSee Emilie Playか、CreamのI Feel Freeのどれを買おうか迷ったあげく買った記憶があるが、A面より遥かに多くの回数かけている。
米、日

Thinking Of You Baby
米ではDC5の音源としては未発表だったため収録。まあ、BeatlesのアルバムHey JudeにCan’t Buy Me Loveが収録されているようなもの。曲に関してはシングル盤の項を。英、日

Lovin' So Good
ベースのフェイド・インから始まる楽しそうな曲だが軽く、内容にとぼしい。

Doctor Rhythm
前にカヴァーしたYoung RascalsのGood Lovin’を意識したような曲。マイク・スミスのヴォーカルとピアノがすべて。ちょっと危なっかしいが、Ray Charles風のピアノ・ソロと、指が摩擦熱で焼けどするのではと思われるほどのグリッサンドが鋭い。米

Play With Me
キャッチーなメロディーの楽しい曲。エンディングはHey JudeのようにLa La Laをリフレインすると効果的だと思うのだが、あっさり終わってしまう。後にカヴァーするAmen Cornner(エーメン・コーナー)のPradiseに似ている。

Let Me Be
間に合わせに作ったような曲。映画などのディスコ・シーンでB級ガレージ・バンド演奏していそうな曲。

Blueberry Hill
1週間くらいshoutの練習をしてノドをつぶしてから挑んだような大シャウトが聞きどころ。原曲ののどかな感じとは180度転換。

Tabatha Twitcht
最初に聞いた時はなんかサーカスの音楽に聞こえたが、キャッチーで楽しい曲。英
 
 

EVERYBODY KNOWS
Epic LN-24354 (mono)

Epic BN-26354 (stereo)
Mar.1968

レア度 :

sideA
Everybody Knows
A Little Bit Now
At the Place
Inside And Out
Red and blue
 
sideB
You Must HaveBeen a Beautiful Baby
Good Love Is Hard to Find
Lost In His Dreams
Concentration Baby
Hold On Tight
I'll Do the Best I Can
 
DC5の14枚目にして、アメリカに於ける事実上のラスト・アルバム。この後活動の場は本国イギリスに戻ることになる。最後のチャート(100)入りナンバーのEverybody Knowsをフィーチャーし、You Got What It Takes以降のヒット曲を収録。チャート入りしなかった。

Everybody Knows
クラークが作曲者のRes Reed(レス・リード)宅で、奥さんがピアノで弾いているのを聞いて気に入ったという。本国ではやっていたMOR調のナンバーで、マイク・スミスには似合わないと考え、一応メンバー全員がソロをとったバージョンがあるらしい。レニー・デビットソンの声が一番ふさわしいとクラークが判断し、その結果。本国では久しぶりの大ヒットとなったがアメリカでは中ヒットに終わった。英、米、日

A Little Bit Now
原曲(Majers)は4ビートで迫力のないウラ声で歌われているが、マイク・スミスのヴォーカルはど迫力。しかし、You Got … .Beautiful Babyに続3部作の3番目ということもあってちょっとくどい気もする。女性コーラスとファズ・ギターが安っぽく、マイナスな気がする。米、日

At the Place
特に特徴もなく、可もなく不可もないナンバー。しかし、アルバム曲として出来は良い。

Inside And Out
コード進行をリードするピアノ、ディストーション・ギターとストリングスの組み合わせが斬新。米

Red and blue
クラーク・でビットソン作の同タイプのEverybody Knowsに先行して米ではシングルで発売されたが、かろうじてチャート・インにとどまる。やたらストリングスの音が大きい。米

You Must HaveBeen a Beautiful Baby
Bobby Darin(ボビー・ダーリン)62年のヒット曲。Frank Sinatra(フランク・シナトラ)や Toney Bennett(トニー・ベネット)も歌っている、スタンダード・ナンバーを大胆なアレンジで、カヴァーした。You Got… に続くヒットが期待されたが、中ヒットに終わる。米、日

Good Love Is Hard to Find
ロックン・ロール調のリズムに間延びしたメロで、BeatlesのHold Me Tightのようなノリのナンバー。

Lost In His Dreams
アップ・テンポのイントロから急にテンポ・ダウン、3拍子が入ったりとややトリッキーな曲。マイクとデニスでヴォーカルを分け合っている。

Concentration Baby
ファンキー・タイプのナンバーでモールス信号のようなオルガンが印象的。ちょっとミスるが。英、米、日

Hold On Tight
のどを絞めて低音で歌うヴォーカルとギターかオルガンか分からないがノイジーな低音が特徴の凡庸な曲。サビのコーラスはいかにもDC5っぽいが。

I'll Do the Best I Can
マイク・スミスの1人Righteous Brothers(ライチャス・ブラザース)のような荘厳なナンバー。
   
   
 
   
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